皆さんは「電池が切れるまで」というテレビドラマを知っていますか。
このドラマには、病と闘う子供達が登場します。
その中の一人、当時11歳の少女が書いた「命」という詩が、このドラマの中心にあります。
この「命」の詩を書いたのは、11歳の宮越由貴奈ちゃんです。
お母さんに似た、活発で明るい女の子。
5才のとき、突然に足が痛みだし、神経芽細胞腫(しんけいがさいぼうしゅ)
と診断されました。抗ガン剤、肝臓摘出手術、放射線治療、自家骨髄移植・・・・
想像を絶する、辛い、痛い治療を受けながら、入退院を繰り返します。
そんな由貴奈ちゃんがとっても楽しみにしていたのが、院内学級です。
院内学級とは、入院治療中の子供たちが通う病院の中に設置された小中学校の事で、
車椅子の子や、点滴台を引く子、ストレッチャーに横になった子まで笑顔で通ってきます。
由貴奈ちゃんは、院内学級の理科の時間に乾電池の実験を体験しました。
そして退院後、病院の友達が亡くなったり、また一方では自殺やいじめの
ニュースがあふれる頃にこの「命」の詩を書きました。
由貴奈ちゃんは、1998年2月にこの詩を書き、それから4ヶ月後
その年の6月に、わずか11歳で亡くなりました。
何も言わず、何も聞かず、ただただ読んであげて下さい。
それだけです・・・・・
命
命はとても大切だ
人間が生きるための電池みたいだ
でも電池はいつかは切れる
命もいつかはなくなる
電池はすぐにとりかえられるけど
命はそう簡単にはとりかえられない
何年も何年も
月日がたってやっと
神様から与えられたものだ
命がないと人間は生きられない でも
「命なんかいらない。」
と言って
命をむだにする人もいる
まだたくさん命がつかえるのに
そんな人を見ると悲しくなる
命は休むことなく働いているのに
だから、私は命がつかれたと言うまで
せいいっぱい生きよう
-宮越由貴奈(小学4年)-PR